当社に実際に寄せられたM&A・事業承継のご相談をもとに、相談者や企業を特定できないよう、一部の内容を加工・再構成して掲載しています。相談時の課題や検討内容をご紹介しています。
ご相談の背景
企業映像・広告動画を手がける会社から、顧客との信頼関係と制作チームを次へつなぐための承継についてご相談をいただきました。継続して依頼をいただく関係や、案件ごとに連携するスタッフ・外注先は、事業を支える大切な要素です。会社の承継を考える際も、受注した仕事をどのように進め、誰が顧客に対応するかまで含めて検討する必要があります。
継続受注と案件別採算を整理する
検討にあたっては、継続受注の内容と案件ごとの採算を分けて確認することを論点としました。同じ顧客からの依頼でも、制作内容、見積条件、外注の範囲、修正対応によって必要な工数は異なります。売上だけで制作体制を判断せず、どの仕事をどのような役割分担で受けているかを整理することが、引継ぎの前提になります。
進行中案件については、納期、制作の進み具合、顧客の確認待ち、検収条件を把握することも確認事項です。承継を検討している間にも制作は続くため、顧客への窓口や確認手順を含め、案件ごとに引継ぎ上の注意点を明らかにする必要があります。
作品・素材と代表者の役割を確認する
作品や素材については、保管しているデータと利用できる権利を同じものとして扱わず、契約や許諾の条件を確認する方針を整理しました。顧客から預かった素材、制作に使用した素材、納品した作品について、引継ぎや再利用にあたり確認が必要な事項を分けて考えます。
あわせて、代表者が担う顧客対応と見積判断をどのように引き継ぐかも相談の論点です。顧客の要望を受ける段階から制作条件を決めるまでの役割を確認し、制作チームの仕事と代表者の判断をつなぐ情報を整理することが重要になります。
制作チームと外注先を含めた引継ぎを考える
承継先を検討する際には、社内の制作チームに加え、案件ごとに協力する外注先との関係も確認対象になります。誰がどの業務を担い、どの連絡経路で制作を進めているかを整理し、顧客への説明や担当変更の進め方と合わせて検討します。
このご相談では、顧客との信頼と制作体制の両方を引継ぎの論点として捉えました。希望する関係の継続を前提と決めつけず、契約や関係者の意向、承継先との条件を確認しながら検討することが大切です。本記事は、成約や雇用・取引の継続を保証するものではありません。